Microsoftの提供しているSmall Basicというプログラミング環境があります。おすすめのプログラミング環境なので紹介したいと思います。
Scratchはデバッグがつらい
Scratchのようなブロックベースの開発環境に慣れてくると、やがて困難にぶつかります。
それはずばりデバッグ作業の難しさです。
小さなプログラムを作っている時は気になりませんが、ある程度規模の大きいプログラムを作り始めるとすぐに分かることがあります。それは「バグはあって当たり前」ということです。
長いキャリアを積んだ熟練のプログラマでも、絶対にバグを避けて通れません。キャリアを積めば積むほど、このバグを直す技術が身に付くわけですが、ブロックベースの開発環境はこの作業が大変です。
それは、目的のコード(ブロック)にたどり着くのに、マウスのドラッグ操作をたくさん使わなくてはいけないためです。また、一連のコードブロックの塊は平面的に上下左右に並んでおり、いったいどこに目的のコードブロックがあるのか、探し出すのに一苦労するためです。
テキストベースのプログラミングの良さ
Small Basicのようなテキストベースのプログラミング環境であれば、かならずと言っていいほどエディタ上で目的の単語を「検索」できます。これで、たとえば現在プログラムコードの50行目を見ていて、目的の単語が10000行目にあるとしても、その単語を検索するだけでひとっ飛びです。一発で目的のコードにたどり着けます。
大規模なプログラミングにおいては、絶対にこれが欲しくなります。検索できないデバッグ作業など考えられません。
Scratchのようなブロックベースの開発を卒業して、いよいよ本格的なテキストベースプログラミングに進みたくなったら、Small Basicはかなりおすすめできるプログラミング言語です。
Microsoftが教育用に作った言語なので、子どもたちが学ぶことを想定されています。とてもシンプルで覚えることも少な目です。
日本語の教材
日本語の教材が欲しければ、たかはしのんきさんの記事がおすすめです。
手軽に始めたいのであれば、Small Basicにはウェブサイトにアクセスするだけで動かすことのできる オンラインエディタもあります。
たとえば、上で紹介したたかはしのんきさんのページの、プログラミング講座 (189) ~プログラミング講座 (202)あたりはこのオンラインエディタ上でのチュートリアルです。
189回から順番にたどってみてください。
たいていプログラムは公開してくれています。
たかはしさんのプログラムを全部コピーしてSmall Basicのオンラインエディタに張り付けて、動作を確認してみましょう。それだけでも本格的なプログラミングの楽しさが実感できるのではないかと思います。
ステップアップして高みを目指して
中学生くらいになったら。
一つの環境で満足せず、あれもこれもたくさん試して、さまざまな経験を積んでほしいと思います。どのプログラミング環境も、いいところと悪いところが必ずあります。いいところだけでなく悪いところも身体で感じてほしい。
きっと効率よくなんてできません。効率悪くてもいいんです。
なんであんな無駄なことをしていたんだろうと、後になって気づくこともたくさんあります。でもそれでいいし、実はそれがとても必要な経験だと思います。
Scratchの次にSmall Basicに進んだら、全然上手にできない、難しい、めちゃくちゃ時間がかかる・・・。そうなるかもしれません。
だけど、だけど、ぐっと我慢してほしい。
その難しさを、コンピュータと格闘しているような楽しさに変えて、その知的な喜びに気づいて、前に進んでほしいと思っています。
ハッピーコンピューティングは、そんな風に、コンピュータの難しいところを楽しめるように、全力でサポートしてまいります。